今回はMAXやMIN、ZNなどと同じ数値関数の1つであるABS関数について解説していきたいと思う。
ABS関数とは?
ABS関数とは対象のフィールドの値の絶対値を返してくれる関数だ。
例えば、自分の部署の予算と実績の差=「予実差」の差額の大きさをチェックしたいとする。
だがそのまま差額を出して可視化しても下記のようにうまくいかない。
なぜなら、予算と実績の差がプラスの場合もあれば、マイナスの場合もあり、純粋な差額の大きさを比較にしにくいからだ。
こういう時に活躍するのがABS関数だ。
下記のように予算と実績の差にABS関数を適用することにより、純粋な差額の大きさを可視化することができる。
このようにABS関数は純粋な差額を出したい時や後述するが簡易表計算の数式として使われることもある。
個人的にはABSという名称のせいで非常にとっつきにくかったのだが、英語で「絶対の」を意味するabsolute の先頭3文字を取ったものだと知ってからは、「なるほど、だからABSか。」と理解しやすくなった。
ABS関数の使い方
ABS関数の使い方は下記の通り非常に簡単だ。
ABS関数は数値関数であるため、ABS関数の対象とできるフィールドはデータ型が数値型のフィールドだ。
数値型であれば、整数であろうと小数であろうとABS関数の対象とすることができる。
例えば、先ほどの予実差の例においては下記のようにABS関数を使用している。
このようにABS関数は文字列関数などの他の関数に比べると非常にシンプルな書き方で使うことができるので、一度関数の活用シーンと使い方を把握してしまえば今後はサクッと使えるようになるはずだ。
ABS関数の活用シーン
ABS関数の活用シーンとしては例えば、先ほどの例のような差額の大きさを比較したい時が挙げられる。
また、ABS関数は下記のような簡易表計算の前年比成長率を表示するための数式の一部として使われている。
使用されている箇所は下記だ。
意外と知られていない裏側の部分でこのようにABS関数が使われていたりするのだ。
ちなみにTableauの表計算に関しては色々と奥が深いので、別の記事で詳しくご紹介しようと思うが、「簡易表計算って何?」という人のために簡単に触れておく。
簡易表計算とはTableauにおける表計算の内、ビジネスでよく使う表計算を簡単に使えるようにTableauが用意してくれているものだ。
- 累計の表示
- 前年比成長率の表示
- 合計に対しての割合の表示
などなど実務上必要だよね!ということが簡単にできるので非常におすすめであるので、是非覚えてみてほしい。
まとめ
今回は対象のフィールドの絶対値を表示してくれるABS関数をご紹介した。
ZN関数など他の数値関数と一緒に覚えておくと経営ダッシュボードを作成する時などに結構便利なので、是非参考にしてみてほしい。
Tableauの他の関数については下記一覧が参考になるはずだ。