今回はBigQueryにおけるUNION ALLとUNION DISTINCTの違いについて。
2つのテーブルをユニオンしたい時に UNION ALL を指定する場合と UNION DISTINCT を指定する場合でデータがどう変わるのか?
上記について私がSQLを学び始めた時は全然わからなかったので、備忘録として整理しておこうと思う。
UNION ALLとUNION DISTINCT の違いは?
UNION ALLとUNION DISTINCTの違いは結論から言うと「重複行を排除するかどうか」の1点だ。
UNION ALLを指定する場合、ユニオン対象の2つのテーブルに重複している行があっても、そのままユニオンする。
一方で、UNION DISTINCT を指定する場合は、重複行はユニオンの結果から除外される。
ちなみにUNION DISTINCTではなく、単にUNIONと指定するだけで重複行を除外してユニオンしてくれるRDBMSも多いが、BigQueryにおいてはUNIONと記載するだけではエラーとなる。
では、具体例でデータがどう変わるかを確認しよう。
テーブルAとテーブルBはそれぞれ5行ずつデータがある。
その内、2行(product_id=004と005の行)は2つのテーブルで重複している。
【テーブルA】
【テーブルB】
UNION ALLの場合
UNION ALLの場合、対象の2つのテーブルに重複行があっても全て結果に含まれる。
上記2つのテーブルをUNION ALLを指定してユニオンした場合のクエリとその結果は下記の通りだ。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 | SELECT product_id ,product_name FROM `sample_dataset.sample_table1` UNION ALL SELECT product_id ,product_name FROM `sample_dataset.sample_table2` ; |
UNION ALLを指定した場合、上記赤枠のように完全に重複した行があっても、そのままユニオンしていることがお分かりいただけると思う。
※上記結果は重複がわかりやすいように、product_idの昇順で別途並べ替えている
5行ずつの2つのテーブルをユニオンした結果、合計で10行になっているので除外された行がないことがわかる。
UNION DISTINCTの場合
一方、UNION DISTINCTを指定する場合、重複行はユニオンの結果から除外される。
先ほどと同様の2つのテーブルをUNION DISTINCTを指定してユニオンした場合のクエリとその結果は下記の通りだ。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 | SELECT product_id ,product_name FROM `sample_dataset.sample_table1` UNION DISTINCT SELECT product_id ,product_name FROM `sample_dataset.sample_table2` ; |
UNION ALLと時と違い、2つのテーブルで重複していた2行が結果から除外され、テーブル全体の行数が8行になっていることがお分かりいただけると思う。
これがUNION DISTINCTを指定してユニオンした場合の動きとなる。
まとめ
BigQueryにおけるUNION ALLとUNION DISTINCTの違いにおける要点は下記の通りだ。
- UNION ALLとUNION DISTINCTの違いは「重複行を含むかどうか」
- UNION ALLは重複行を含める
- UNION DISTINCTは重複行を結果から除外する
- 他のRDBMSと違い、単にUNION DISTINCTの代わりにUNIONと記載するだけではBigQueryではエラーとなるので、UNION DISTINCTと記載する必要がある
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